支部便り(道南)

『地域から学ぼう』土曜授業で講師を務めました

日 時/ 令和4年11月5日(土) 8:30~10:45

場 所/ 北斗市中野通200 北斗市立上磯小学校

参加者/ 小学5年生73名・担任教師4名・協会関係者9名

事業内容/北斗市立上磯小学校が実施する「土曜授業」で火育(火についての講座及び火起こし体験)の講師を務めました。
土曜授業とは、地域と連携した多種多様な体験活動をすることを通して、学習に対する興味・関心・意欲を高めるとともに、子供同士及び地域とのつながりの大切さに気付かせ、感謝の気持ちを持たせることを目的に行われるものです。
地域から様々な講師を招いて体験学習を行いますが、道南支部では5年生(2クラス)を対象に火育と食育を課題とした授業を行いました。
今年は学校側と事前に協議を重ねた結果、120分間の時間を頂き、盛りだくさんな内容で授業を行いました。
授業は二つに分けて、一つは教室で映像を使ったファイヤー探検記や実物を使った燃料の歴史、ガスコンロで地域の新米を炊いて試食をするという授業、もう一つはLPガスに関する知識や、LPガス低圧発電機を使った発電体験、火起こし体験を行う授業です。
5年1組→1時間目ファイヤー探検記等(教室)→2時間目火起こし体験等(正面玄関)
5年2組→1時間目火起こし体験等(正面玄関)→2時間目ファイヤー探検記等(教室)

授業風景/最初に教室での授業を紹介します。
大昔、人間は火を手に入れて肉や魚を焼くことで食生活が大きく変化したが、さらに土器の発明によって煮たり蒸したりと、様々な食材の調理の幅が広がって栄養が取れるようになった。
北斗市は、世界遺産である「北海道・北東北の縄文遺跡群」の地域に含まれ、近くの函館市には「大舟遺跡」や「垣ノ島遺跡」があって、縄文人が生活していた跡がたくさんあることを紹介し、原始の時代から脈々と人々が生活してきた地域で暮らしていることを説明した。
また、人の歴史は火の歴史であり、エネルギーにも歴史があることを実際に木材・石炭・石油・LPガスの見本を見せて、子供たちに使用された順番を考えてもらった。そこで今の子供たちが石炭を見たことも触ったこともないことが分かり、担任の先生に自分の子供時代には学校の教室で石炭ストーブを使っていた話をしてもらったら、子供たちが真剣に話を聞いてくれました。
次に、LPガスはどこから来るのか? 映像を使って外国からタンカーで運ばれて、日本の一次基地、二次基地を経由して、工場や家庭に届けられて生活を支えていることを説明しました。
最後に、北斗市は「北海道水田発祥の地」であり、先人が苦労をして稲作を発展させたおかげで、今年も美味しい新米が採れたので、教室で新米を最新のガスコンロで炊いて子供たちに試食をしてもらい地元のお米の美味しさを感じてもらって授業を終了しました。

授業風景/次は、火起こし体験の授業を紹介します。
場所は正面玄関の中で行いました。LPガスは生活の中でどのように使われているのかをパネルを使って日々の料理やお風呂などのお湯を作っていることや灯油や電気などの他のエネルギーと合わせて皆さんの生活を支えていることなどを分かりやすく説明し、LPガスは空気より重くガスが漏れた時には下に溜まることをドライアイスを使ったガス漏れ実験で再現して見せた。
また、ガス臭がしたらガスの元栓を閉めてから窓やドアなどの開口部を開けて、大人に知らせることが大切で、換気扇などの電気器具のスイッチやコンセントには触らないことなどを説明した。そして、開口部を開けるもうひとつの目的は、最悪ガスが爆発した場合に締め切った部屋と解放されている部屋との衝撃の違いを「ガスポン」を使って体感してもらいました。
「ガスポン」とは、チャッカマンにフイルムケースを付けたもので、中にガスを入れて空気と混合してスイッチを押すと勢いよく蓋が飛んで「ポン」という音が出ます。これの蓋は緩いものときついものの2種類があって、密閉度の違いにより「ポン」という音の大きさが違います。
その後で、場所を正面玄関の外に移して「LPガスで電気を作ろう!」をテーマに、停電になってもLPガス低圧発電機を使用して電気を作り明かりや電化製品が使えることを、実際に子供たちにエンジンを掛けてもらい投光器の明かりがつき電気が作られたことを体験してもらいました。
最後は、火起こし器を使った火起こし体験を行いましたが、みんな楽しそうに火起こしをやってくれました。今年の5年生は2年生のときに出前教室で一度火起しを体験しているので、チームのメンバーが協力して火種を作るまで頑張った子供もいて、火種が出来ると皆で大きな歓声を上げて喜んでいました。
火起こし体験の最後は、実際に火種から火を起こして見せるメーンイベントです。協力してくれた若手メンバーが火種を作り、澤田委員長が見事に火種から火を起こして見せると、拍手をして喜んでいました。

追 記/ 今年は今までにない120分間という時間を頂き、5年生を対象にしてファイヤー探検記を活かした出前教室が出来ました。さらに縄文時代から現代までの火の歴史や食の歴史も紹介することが出来て充実した出前教室が出来たと思っています。
今後も子供たちの記憶に残る出前教室が開催できるよう研鑽して参ります。

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